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シロツメクサ(四葉のクローバー)の花

 商取引の要は銀行、お給料の振込みからローンまで人生で長い付き合いになるのは銀行です。一般に年代別の平均預貯金額くらいまではメインバンクを一つか二つ選ぶとよいです。取引内容に応じたポイントサービスでステージが上がってATM手数料や金利の優遇が受けられます。個人向けの営業ではクレジットカードの契約獲得が第一段で、第二弾は顧客の人生のうち住宅資金向けのローンの獲得することが目的です。ネット専業銀行では支店網を持たずに提携ATMやアプリによる取引で小口・日常の決済に浸透しています。信託銀行では一家の資産運用、相続を中心にサービスしています。
 ある程度、預貯金が貯まってきたらもっと運用したいと考えることがあると思います。証券会社を通じて日本国内の取引所に上場している株式を売り買いしようとすると、通常取引の1単元(100株)になります。ミニ株・S株という1株単位の取引かが可能な証券会社もありますが株主優待のような権利がないので要注意です。1ケース買ったらオマケがついてくる飲料を1本ずつ買うようなイメージです。売り買いの手間は1株も100株以上も変わりませんから、1単元(100株)買えるかどうか買いたい会社の株式の価格帯をチェックします。投資信託の場合には投資家から集めた資金で投資するので1単元の資金がなくても投資できます。さまざまな投資信託がありますが最小10万円あるいは100万円からの場合が一般的です。投資信託は企業を国や業種カテゴリで分けて買付しているので分散投資が可能です。投資信託の投資先には、株式以外にも不動産に投資するREIT、国債や社債といった債券もあります。
 国別カテゴリ例:全世界型(オールカントリー)、先進国、成長国、米国、欧州、日本など
 テーマ例:先端IT(人工知能、自動運転)、医薬品・バイオ、石油・鉱物資源など

 初心者には情報が豊富にあって、やさしく説明されているNISA、iDeCoの制度を利用した投資信託を中心とした資産運用から始めるのがおすすめです。ある程度勉強してしっかりと判断できるようになったら、新しい商品に投資するのが良いでしょう。いきなり一つの商品に全財産を投資するのではなく現金で残しておきます。取引に慣れてから商品や投資額を拡大していくと大失敗を避けることができるとされています。金融市場には国内外の年金基金、機関投資家、ベテラン投資家が取引に参加しています。マッチョな達人のいる格闘技のリングにトレーニングなしにいきなり上がるようなものなのでみぐるみはがされないように慎重に行動します。株価、為替や金利を決める要因はとても複雑です。国際情勢、経済情勢、政治、新しい科学技術などが複雑に絡み、市場参加者の思惑で変動しています。

   ちなみに富裕層向けとなると資産運用として個別に担当者がつくようなサービスがあり、一般向けには紹介されていない様々な商品の提案を受けることができます。代々の資産家であれば資産を自分一人のものと考えずに家族、家系のものとしてとらえて最大化しようとしてきたから長年に渡って任せている資産管理会社があります。そうした場合には騙されにくいのですが、成金の場合には要注意です。仮想通貨で投資額が100倍になったとか、株価が10倍になるテンバーガーと呼ばれる株個別株で成功しても、短い期間の付き合いでもっと儲かる話があるとうまい話に乗ると危険です。せっかく会社員勤めを早期引退してFIREできると思っていたら、資産が激減してしまってFIRE卒業になりかねないのです。

年齢別 金融機関との付き合い方
生誕~10代 親の金融知識の差が最も出やすい生まれてから社会人になるまでの年代。子供が生まれたら子供名義での口座開設をおすすめします。本人に代わって親が取引主体を親権者ととして未成年口座開設を開設します。ジュニアNISAは2023年に廃止になり、そのあとの資金運用については順次制度が整備されて公開される見込みです。18歳で成人後は自分の判断で取引できるようになります。
20代~30代 勤務先から給与振り込み先として取引先の銀行を勧められることもあります。住宅資金を借りる場合にはローン金利・手数料、ATM手数料、提携クレジットカードなどが有利な銀行を選んで口座を開設して、50年先くらい先の将来に渡って付き合える銀行を探す時期です。取引内容に応じたポイントサービスでステージが上がってATM手数料や金利の優遇が受けられます。クレジットカード決済の投資信託購入ではポイントや取引実績を積み重ねることができます。信用金庫、信用組合ではくじ付き定期預金や都市銀行よりも金利の高い定期預金といったオリジナルの商品があるほか、取引実績を積み重ねることで住宅ローンや起業時の融資の申込で有利になることがあります。
40代~50代 10~20代から取引している金融機関では毎月の給与を預金して、ボーナスで定期預金や投資信託を買って良好な取引実績を重ねていれば顧客ステージが最高ランクになっている時期です。銀行破綻のリスクに備えてメインバンクを1つか2つに加えて、預金を分散させるために新たな銀行に口座を開設して取引します。なお、日本の預金保険制度では定期預金や普通預金は預金者1人当たり、1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。それを超える部分は、破綻した金融機関の残余財産の状況に応じて支払われるため、一部しか支払われない可能性があります。家族の状況によっては介護や相続が生じ始めるので健在であっても先延ばしせずにマネープランやライフプランを検討しておきます。
60代~70代 定年退職で受け取る退職金、その運用をどこの金融機関で行うのかを検討し、実行する年代です。公的年金の受取や企業年金の受取を始めるのもこの年代です。1度手続すると一生涯続ける人が多いので各銀行では優遇金利を用意していたりします。若い時のような思考力、判断力があると思っていても衰えは始まっています。やり直しする時間的な猶予はないので新たな冒険しないようにします。
既に金銭的に余裕がある人は目先のパフォーマンスのよい金融商品よりも、名産品がもらえる低リスクの金融商品(定期預金や外貨預金)が人気だったりします。
相続税課税対象になるほどの財産を築けた場合は相続税対策を始めます。2023年度の税制改正により、生前贈与加算の対象が亡くなる前7年以内の贈与財産にまで拡大されました。2024年1月1日以降の贈与から対象期間が段階的に拡大されていき、2031年1月以降は生前贈与加算対象期間が7年になります。相続税対策に贈与税の非課税枠を活用したり、相続税よりも低率である贈与税を払って暦年で贈与するテクニックが封じられます。余命が短いと想定される病気に罹ってしまったり、遺伝的に寿命が短い家系であれば対策を早く始めないと納税額が増えてしまいます。
70代~ 人生100年時代とは言われるものの健康寿命は70~80代ですから「終活」を進めていきます。後世に遺すものを整理し、相続対策の仕上げにかかります。
思考力が鈍り、衰え始める年代です。通帳や印鑑の紛失、暗証番号の誤りによるカードの凍結などを繰り返していると認知症が疑われて口座凍結(取引が制限)されることがあります。自分のお金なのに引き出せなくなったと怒る人がいますが銀行側としては物忘れがひどくなった人との取引は正常な判断のできない人と取引したことになって有効性を問われたり、責任問題に発展することを避けるためなので仕方がないのです。そうなってしまう前に、家族カード(代理人用のキャッシュカード)を作成して身の回りの世話をする親族に預ける時期です。家族カードで入出金して老後の日常の費用をまかなってもらいます。口座残高以外にも資産を気付いている場合には老後や介護時に備えて保有する不動産や預貯金などを信頼できる家族に託し、管理・処分を任せる「家族信託」の手続きをします。

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アクション

口座の開設・申込み

銀行口座の開設・申込みは、各金融機関によって異なります。本支店の店頭や郵送、インターネットやアプリで完結する銀行があります。口座の開設・申込みにおける要点を詳しく解説します。

金融商品について学ぶ

預金、貯金、株式、債券、保険、など金融商品について学びます。

預金金利の一覧表

日本国内の銀行の金利を調査しました。詳しくは「預金金利の一覧表」をご覧ください。

預貯金、金融商品の購入

預貯金、金融商品の購入

未公開・限定公開の金融商品

一般には未公開の、口座開設者に限定公開の金融商品があります。

トータルコストの低減

運用コスト、投資信託の手数料、利子所得にかかる税金を含めたトータルコストの低減について考えます。

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更新履歴

2023年5月12日 更新(執筆:SENRI)

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