利息の可視化
100万円を定期預金や債券で運用したらいくらの利子がつくのか? 利息の可視化をしてみました。普通預金、定期預金、国債、社債を例にとって解説します。
目次
年利別 金融商品例 | 2025年4月現在の金利情勢を考慮して実際に購入可能な金融商品から金利帯別に商品を紹介します。 |
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利息の計算式 | 金融商品の提示されている1年間の利率(年利)から利息を計算するための計算式を解説します。 税引前と税引後の利息について示します。 |
利息の計算例 | 元金100万円を例として税引前と税引後の利息を計算します。 |
利息の可視化 | 1年あたりの利息額、1か月あたりの利息額、1日当たりの利息額についてお金のイラストを添えて可視化しました。 |
金利と利息 | 金融機関の金利と利息(利子)についての解説です。 |
年利別 金融商品例
年利 0.2%
2025年1月の日銀利上げに伴い多くの金融機関で普通預金を0.2%にしています。金融政策の変更があるまではこの水準を維持するものと見られています。なお、ネット銀行(オンライン専業)や各銀行のオンライン専用支店では0.3~0.5%前後の普通預金もあります。
年利 1.0%
銀行間での預金獲得競争が始まり、現在の残高よりも預金を増やした金額に対して1~3ヵ月の期間で特別金利が付与されるようになってきました。多くの銀行で「新規資金限定」キャンペーンと言われるものです。ネット銀行(オンライン専業)や各銀行のオンライン専用支店では定期預金5年ものが1.0%前後になってきました。また、10年もの日本国債や期間2~4年の公社債(地方公共団体や民間企業が発行するもの)がこの水準です。
年利 2.0%
新規口座開設者に限定したり、退職金・相続資金の運用相談を条件として定期預金にキャンペーン特別金利が付与される場合の水準です。また、20年もの日本国債や期間3~7年の公社債(地方公共団体や民間企業が発行するもの)がこの水準です。
年利 3.0%
2.0%と同様に特定条件の相談者に対して定期預金にキャンペーン特別金利が付与される場合の金利水準です。銀行が指定した投資信託や外貨預金が条件となっている点に注意です。銀行ではこの預金者の円預金に高金利を付けるために手数料が高めの別の金融商品を組み合わせて販売しているのです。また、一部の民間企業の社債がこの水準です。
利息の計算式
金融商品の利息の付く割合である金利は通常では年率で表記されます。商品の説明では「年利a%」あるいは「年a%」として示されます。
元金に年利と期間(年数)を掛けると税引前の利息を計算できます。
利息の計算例
100万円を確実に増やす。減らさない運用方法については銀行の預金です。100万円貯めて銀行に預けたらどれくらいの利息が付くかを計算してみましょう。
利息の計算では単位を揃えて計算します。年利の場合は期間を年単位に揃えます。通常、半年であれば0.5年、1ヵ月であれば1/12とします。
金融機関ごとに計算方法が異なりますが、普通預金では1ヵ月、半年、1年といった付利日数で残高に応じた利息を計算して利子が支払われます。ほぼ全ての金融機関では1円未満の利息を切り捨てして計算しています。
実際に得られる利息は税金の計算で小数点が出てきて端数が生じるので感覚的に掴みにくくなっています。そこで次項では利息の可視化を試みてみます。
利息の可視化
100万円貯めて銀行に預けたらどれくらいの利息が付くかをイラストを使って可視化してみました。
1年間の利息の可視化
年利0.2%ではランチ1食分程度ですが1.0%、2.0%、3.0%と高金利になると欲しかったけど買わなかったようなちょっといいものを買えますね。利息を使っても元本が減るわけではないので自分へのプレゼントとかご褒美で消費してしまうのもいいかもしれません。
1ヵ月の利息の可視化
年利1.0%以上だと1ヵ月分の利息がちょうどアマゾンプライム会員費や格安SIMの月額費くらいにはなります。また、近年の物価上昇で値上がり著しい光熱費や品物の足しになりそうです。
数か月の利息があればそれなりに使うことができるので、利子の付かないタンス預金や低金利の預金口座に放置しておくのはもったいないです。銀行に預金しておけば元本が減ることはありません。例えば商品の購入で少しでも安いものを探すことやアンケートの回答などのポイント収集活動(ポイ活)に励むことは1回きりです。預金の利息は永続的に得られるのが最大のメリットです。
1日の利息の可視化
1日分の利息だと金利の高低問わず僅かな金額ですね。塵積って山となるというところの塵を見ている感じです。
預けるならどこがいいかを探すことはとても大切ですがあまり時間を掛けるのは得策ではありません。1日でこれだけなので1週間早めたところで僅差ですから低金利の預金から高金利の預金や社債への運用替えを焦る必要はないとも言えます。
金利と利息
銀行に顧客がお金を預けて利息を受け取るということは顧客が金銭を得る、つまり、所得になります。所得なので所得税の対象です。しかし、預貯金および公社債の利子ならびに合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得は利子所得として区別されます。つまり、本業の収入(年収)にかかる所得税とは別の計算になります。
通常、利息を受け取ったときには利子所得として課税されます。原則として、その支払を受ける際、利子所得の金額に一律15.315パーセント(他に地方税5パーセント)の税率を乗じて算出した所得税・復興特別所得税が金融機関によって源泉徴収されます。
金融機関での源泉徴収によって納税が完結する源泉分離課税の対象となるので預金者は確定申告をすることはできません。預金者が確定申告する必要はありませんので手間がかからない半面、投資信託や株式、為替取引などの損失と損益を相殺することもできません。
金融機関での源泉徴収の例外は利子所得の非課税制度です。(1)障害者等の少額貯蓄非課税制度 と (2)勤労者財産形成住宅貯蓄および勤労者財産形成年金貯蓄の利子非課税制度です。
(1)は障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度(いわゆるマル優)、障害者等の少額公債の利子の非課税制度(いわゆる特別マル優)があり、それぞれの元本の額が350万円までの利子等について非課税とされます。
(2)は勤労者財産形成促進法に基づくいわゆる財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄について、両方の貯蓄の元本の額の合計が550万円までの利子等について非課税とされます。(2)に該当する人は勤労者(事業者に雇用されている人と公務員)です。雇われて労働している人のほとんどが該当します。少ない預貯金の利子に課税されないように手続きの手間を惜しまないほうがよいでしょう。
参考:No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)[国税庁 タックスアンサー]
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更新履歴
2025年4月25日 更新 軽微な修正
2025年4月24日 公開(執筆:SENRI)
2025年4月20日 作成(執筆:SENRI)