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住宅ナビ マンション、賃貸を探す

 人生で住宅を選ぶシーンは進学、就職(転勤/転職)、結婚や独立などで数回しかないのが一般的です。進学、就職では近場に寮や借り上げ住宅、社宅があったりと限られた選択肢で賃借期間も短いので難しく感じる人は少なかったのではないでしょうか? 自身で賃貸を探したり、分譲マンションを探したり、土地を購入して注文住宅を建築したりと自由度が高くなると難易度が上がってきます。
 私の半世紀弱の経験ですが住環境が健康や精神状態に与える影響は思いのほか大きかったと思います。混雑路線の長時間通勤は疲れましたし、趣味や睡眠時間が削られ、何のために仕事をしているのかとさえ思いました。しかし、狭い風呂なしの住宅の経験や新築戸建てがあったからこそ、寮や借り上げ住宅で我慢しながら次のステップでは職住近接でよりよい環境を目指して幾つもの賃貸を移り住み、終の棲家をみつけることができました。
 幼少期の住宅環境と体験、パートナーの住宅取得志向、両親の資金援助があるならその意向も合わさって生涯の住宅選びをしていこうということになるときわめて大きなパワーのいるプロジェクトになります。不動産や住宅産業にかかわったことがある人ならともかく、業者と一般人の持っている情報には大きな隔たりがあって不利になりがちです。庭があるお家、平屋に憧れたり、都市部のランドマークになるような超高層タワーマンションに憧れたりと、検討しているときにはいろいろ気になってきます。
 住宅展示場や広告で見て相談すると住宅を建てることは難しくないですが、満足できるものができるかというと別問題です。建築士、デザイナー、大工と一緒に建てる戸建ての注文住宅ですが営業担当に高められた期待値ほど住んでみると良くなかった、とても悪かったということも起きています。地縁のないところに土地を買って、住宅を建てるのはハードルが高いです。見た目とプライバシー、動線、快適性をすべて満たすことはとても難しく、好みの造形物やカラーを取り入れても売却時には第三者から見ると無価値になることさえあります。
 2009年のリーマンショック以降のマンション市場は右肩上がりが続いていてこの10年ほどに限って言えば都市部にマンションを買っておくのが正解でした。中古価格が新築時の価格の1.5倍ほどになっているので住んでいたのに買ったとき高く売れるという状況です。中古マンションの買い手が多くいるため売却して住み替えが容易です。一方で同時期に郊外に戸建てを建てた場合には中古価格は半値以下に下落しているため売却損が大きく、身動きがとりにくくなっています。

マンションの選び方・買い方/借り方
良物件はすぐに成約してしまう 人気の新築マンションは高倍率の抽選、中古物件が出てもすぐに成約してしまっています。割安な優良物件は買いにくい物です。
訳アリはやはり・・・ 駅から遠く、周囲に商業施設があるわけでもなく割高な物件は買いやすく、売りにくいです。転勤などで手放そうにもすぐに売却できませんし、賃貸に出そうにもローン返済額から算出した適正価格では借り手が付きません。
変な間取りはトラブルの元 ホールケーキ(円柱)をカットしたショートケーキのような三角形の専有部の賃貸では隣室と接している壁の部分が大きく騒音トラブルが起きやすいです。一般的な家具、家電を配置しにくい点もマイナスです。床に傾斜がある部屋は地盤や建物の躯体に損傷がある可能性もあり、耐震性が不安になります。
空き室/売り出しの多いマンション 住民トラブルが発生していることが推察されます。トラブルメーカーの存在、管理組合の機能不全、設備の劣化など、生活を継続できないと感じる人が多く出ていると思われます。価格を下げてでも手放したいとか、貸したいとか考えるオーナーが更に質の悪い住民を招くので要注意です。
都市計画法の用途指定 工業地域、準工業地域にも住宅を建築することが可能です。埋め立て地、臨海工業地帯の工場の多くは海外や郊外へ移転したため、工場予定地や工場跡地には広大な土地が空きました。このような土地にショッピングモールなどとセットでタワーマンションを建設する開発手法が増えています。古くからの味わいのある街並みがない点、休日の飲食店の混雑ぶりなどの不満はあるものの清潔で整然とした街で新しいライフスタイルを志向している人には合うと思います。ワールドシティタワーズ(東京都港区港南)やHARUMI FLAG(東京都中央区晴海)が有名です。

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更新履歴

2023年5月31日 更新(執筆:SENRI)

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