Windows98SEのインストール概要
Windows 98 Second Edition Installについての記事です。私の中古PCの購入・再セットアップの体験に基づいてまとめています。Windows 98/95とも共通部分が多いですが、Windows 98 Second Edition Upgrade版を使用する方法となっています。
- 目次
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はじめに /
前提事項 /
準備編 /
セットアップ /
Windowsの一般設定 /
FAQ
はじめに
Windows 98 Second Edition
1998年7月25日にWindows 98(日本語版)が発売され、1999年9月10日にWindows 98 Second Edition(日本語版)が発売されるというスピード感でリリースされたOSです。Internet Explorer 5.0を搭載し、新たにDVD-ROMなどのサポート、USB 1.1対応やIEEE 1394の対応の強化が行われており、現在のWindowsでサポートされている機能の多くが使えるようになったWindowsのバージョンです。
Windows 98SEは要求スペックがIntel 486DXと低めで、PC-98シリーズの終息が発表された後とはいえ、PC-9800シリーズに正式に対応しており、周辺機器を含めたドライバー、日本で発売されたアプリ、ゲームの多くがPC-98サポートをしていたため、今でもレトロPCとして使いやすいOSです。
2022年リニューアル時のコメント
Windowsパッケージの出荷時のシステムにはかなり多くの不具合、脆弱性があることが判明しています。そのままネットワークに接続するのは危険です。Microsoftのサポート終了に伴いWindows Updateを利用したアップデートをすることができなくなっているため、このページの方法でOSのインストールを終えたら、Microsoftのサイトから修正ファイルを個別にダウンロードして、適用することでOSサポート中の最新の状態に近づけることが可能です。
前提事項
PC-98の環境
Windowsをインストールする対象は下記を想定しています。
・中古のPC-9821シリーズを購入し、必要なソフトウェアは所持している。
・HDDの中身に保存が必要なデータは存在しない。
(今回、ここで紹介する方法は、いわゆるクリーンインストールと呼ばれる方法です)
・本体および周辺機器には故障はないものとします。
対象機種 : NEC PC-9821シリーズ(CPU:Pentium,RAM:16MB以上,HDD,CD-ROMドライブ、3.5FDD)
インストールOS : Windows98 Second Edition Upgrade
ドライブ構成:(FD起動時)FDD A: , HDD B: CD-ROMドライブ Q:
※このページではUpgrade版パッケージの手順を案内しています。通常版パッケージであれば、システム起動ディスクがついてくるので手順が簡単です。HDD内に旧バージョンがない時に行われるアップグレードのチェックもありません。
2022年リニューアル時のコメント
中古品、ジャンク品って様々な状態で売られています。リカバリーまで済ませられた中古品、独自にOSインストールした状態、HDDが付属しないか、初期化されていて何も入っていない。オークションでは稀に前の使用者の環境が残ったまま売られていることもあります。個人情報やコンピュータウイルスの観点からもその環境を使うのはよくないので、完全に消去してクリーンインストールします。このページはそのための手順です。
準備編
起動用ディスクを作成し、ハードディスクを初期化、起動するためのシステムを組込みます。
必要な物を準備する
空のフロッピィディスク(FD) 1枚
MS-DOS Ver.6.2 システムディスク
Windows98 Second Edition Upgrade CD-ROM
旧バージョンのOS媒体 Windows95 CD-ROMもしくはFD、Windows 3.1 CD-ROMもしくはFD
インストール用の起動ディスクの作成
- MS-DOS 6.2のシステムディスクから起動します。
- FORMATコマンドを実行します。
- 対話式メニューで「フロッピィディスク」を選びます。
- 続いて、「システムを転送する」を選びます。
- メッセージに従い空のFDをドライブにセットします。
- フォーマットが終わったら、そのFDで起動してみます。
- FDへ環境ファイルを作成します。
※テキストエディタがない場合は下記のコマンドを打ち込みます。キーボードから打ち込んだ文字列をCONFIG.SYSという名前のテキストファイルとして保存することができます。
※続いて下記のCONFIG.SYSの中身を打ち込みます。
打ち終わったら、Ctrlキーを押しながら、Zキーを押します。
CONFIG.SYSの中身
コマンド |
FILES=50
LASTDRIVE=Z
DEVICE=HIMEM.SYS /TESTMEM:OFF
DEVICE=NECCD.SYS /D:CD_101
|
※サードパーティのCD-ROMドライブを使用する場合にはそのドライバに読み替えてください。
AUTOEXEC.BATの中身
テキスト |
@ECHO OFF
MSCDEX /D:CD_101 /L:Q
|
- MS-DOSのシステムディスクからHIMEM.SYS、NECCD.SYS、MSCDEX.EXEなどの必要なファイルをFDへコピーします。
※サードパーティのCD-ROMドライブを使用する場合にはそのドライバに読み替えてください。
- CONFIG.SYSの設定と必要なファイルのコピーが終わったら、そのFDで起動してみます。
- 起動したら、WindowsのCD-ROMが読み込みできるか確認します。
インストール用の起動システムの作成
HDDからMS-DOSを起動して、CD-ROMドライブが使える状態にします。
- Windows OS標準で対応していない周辺機器はPCからはずしておきます。
- 上記で作成した起動ディスクを使用してMS-DOSのシステムを起動します。
- ハードディスクを初期化します。
必要なデータがある場合は必ず別のディスクに保存しておいてください。
- 初期化が終わったら、再起動します。
- Aドライブへ環境ファイルを作成します。
※PC-9821シリーズは通常、起動したドライブがAドライブになります。
CONFIG.SYSの中身
テキスト |
FILES=50
LASTDRIVE=Z
DEVICE=HIMEM.SYS /TESTMEM:OFF
DEVICE=NECCD.SYS /D:CD_101
|
AUTOEXEC.BATの中身
テキスト |
@ECHO OFF
MSCDEX /D:CD_101 /L:Q
|
- 必要なファイルをBドライブ(FDD)からAドライブ(HDD)へコピーします。
コマンド |
COPY HIMEM.SYS
COPY NECCD.SYS
|
- 設定が終わったら、FDをドライブから取り出します。
- HDDから起動します。
- CD-ROMドライブに「Windows98 Second Edition CD-ROM」をセットします。
- カレントドライブを変更します。
- カレントディレクトリを変更します。
- セットアップコマンドを実行します
2022年リニューアル時のコメント
AT互換機前提で開発されたプログラムは、Cドライブが基準になっており、WindowsをAドライブで起動しているとソフトのインストールや動作で支障が出ることがあります。SETUPコマンドをオプション付きで「SETUP /AT」と実行すると、Cドライブ起動にできます。
後から起動ドライブを変更するのは大変なのでセットアップ時に決めることが大切です。
セットアップ
SETUP
前の項の続きです。セットアッププログラムのウィザードを進めていきます。
SETUPプログラムの操作
- SETUPプログラムのメッセージに従いインストールします。
- 下位バージョンのチェックでは、
Windows95 CD-ROM,FD,Windows3.1 CD-ROM,FD
のいずれかをドライブにセットします。
- 元のCD-ROMに交換してインストールを続けます。
2022年リニューアル時のコメント
アップグレード版をクリーンインストールするときは、旧バージョンのOSの媒体の確認があります。
Windowsの一般設定
インストール直後にすること
【資源競合がないかのチェック】
- システムのプロパティを開きます
- 資源競合しているデバイスがないか確認します
- 競合印がついているデバイスのプロパティを開き再設定します。
- 設定後、再起動して、再度「資源競合がないかのチェック」をします。
【未インストールドライバがないかのチェック】
- 取り外しておきた周辺機器を取り付けるため、PCの電源を切ります。
- 周辺機器を取り付けます。
- 電源を入れ、Windowsを起動します。
- ハードウェアのプロパティを開きます。
- ドライバをインストールします。
- 設定後、再起動してます。
- 再起動後「資源競合がないかのチェック」をします。
※複数の周辺機器がある場合は、繰り返し行います。
アプリケーションのインストール
利用したいアプリケーションをインストールします。別のPCにインストールした状態のフォルダ、ファイルをコピーしてきても動作しないことがあるため、正しい手順でインストールした方がいいです。
設定やデータの準備
Windowsの設定(ネットワーク、ブラウザ、メールなど)を行います。必要なアドレス帳や各種データファイルをインポートします。
2022年リニューアル時のコメント
Windows 98SE発売前の周辺機器は大抵Microsoft製のドライバが用意されているので楽なのですが、ドライバがないものは大変です。