IF-2769の特徴
プラグアンドプレイ(PnP)サポートのSCSI-2インターフェースボートです。
ICMが倒産前に出した最後のCバス用のSCSIボードで、Cバスタイプのボード
としてはかなり高速です。
機能の特徴は、
- SCSIインターフェース
- SCSI-2(FAST-SCSI)規格をサポート(最大10MB/Sのデータ転送を持つ)
- DMA、W-FIFO、バスマスタの3方式のサポート
- PnPサポート
- 16MB以上のメモリを搭載した機種でもバスマスタモード可能
設定
ボードBIOSの呼び出し方 :CTRL + S で起動又はリセット
あとは画面上で設定してください。
ボード上の4連ディップスイッチの設定
スイッチ | 機能 | ON | OFF |
SW1-1 | PnPの切り替え | PnP無効 | PnP有効(出荷時設定) |
SW1-2 | ボード上ROMの切り替え | ROM有効(出荷時設定) | ROM無効 |
SW1-3 | 固定モード | 固定モード | 通常モード(出荷時設定) |
SW1-3 | 未使用 | | |
※固定モード(SW1-3を使用、リソース・転送モードを強制的に固定する。)
BIOSセットアップ
■ IF−2769の設定メニュー
IF-2769は、パソコンに装着しておきます。
IF-2769のBIOSセットアッププログラムを起動するには、以下の操作を行います。
● パソコンの電源がOFFの場合
「CTRL」と「S」を押したままの状態で、パソコンの電源をONにします。
キーは2つとも押したままにしておきます。
● パソコンの電源がONの場合
「CTRL」と「S」を押したままの状態で、パソコンをリセットします。
キーは2つとも押したままにしておきます。
注) エプソン製パソコンでは、電源ON時またはリセット時のキー入力の関係で、
上記の操作をしてもメニューが出力されない機種があります。
その際は、上記の2つのキーを素早く押したり離したりしてください。
この操作を行ってしばらくするとメニューが表示されます。
メニューは2画面あります。「↑」「↓」で項目と画面の移動を行います。
■ メニューの機能
1) INT(IRQ) : IF-2769が使用する割り込みレベルの設定(0:出荷時)
割り込みレベルは、パソコン本体に外部機器を接続するためにある機能です。
割り込みレベルは、「INT」の後ろに番号を付けて表します。
割り込みは、IRQ(割り込み要求番号)でも表示されます。()内の数字が対応するIRQを示します。
IF-2769が使用できる割り込みレベルは、INT0/1/2/3/5/6です。
他の機器が使用している番号は使用することが出来ません。
他の機器と競合しないようにする必要があります。
2) DMA (3:出荷時)
DMAチャネルの設定。
3) 転送方式 (FIFO : 出荷時)
B-Master(A) : バスマスタ非同期転送
B-Master(S) : バスマスタ同期転送
4) リセット待ち時間
5) SCSIボードID
本ボードIF-2769自体に割り当てるSCSI-IDです。通常は「7」に設定します。
6) クイックフォーマット
7) ディスクパラメータ
注) BIOSセットアップで設定した値をIF2769上の不揮発メモリに書き込み中、
画面のメッセージ欄に「設定を記録中」と表示されます。このメッセージが出力されている間は、
絶対にパソコンをリセットしたり、電源を切ったりしないでください。
ハードディスクのパラメータ解析
IF-2769に接続されているハードディスクのパラメータ
(シリンダ数、ヘッド数、セクタ数、トラック及びセクタ長)を解析し、
その値を記録することが出来ます。これによって、IF-2769以外の
SCSIインターフェイスカードに接続してフォーマットされたハードディスクを認識することが出来ます。
■パラメータ解析プログラムの起動方法
● パソコンの電源がOFFの場合
「CTRL」と「A」を押したままの状態で、パソコンの電源をONにします。キーは2つとも押したままにしておきます。
● パソコンの電源がONの場合
「CTRL」と「A」を押したままの状態で、パソコンをリセットします。キーは2つとも押したままにしておきます。
しばらく待っていると、メニューが表示されます。
注: BIOSセットアップで、ディスクパラメータを「ANL」とした
SCSI-ID番号のハードディスクの製品が変化した場合は、
パソコン起動時にハードディスクパラメータ解析プログラムが自動的に立ち上がります。
■ 表示項目の説明
★ SCSI-ID
現在選択されているSCSI-IDが反転して表示されます。「←」「→」キーで目的のSCSI-IDを選択します。
★シリンダ数、セクタ数、ヘッド数
選択されているハードディスクのパラメータを示します。
この数字が表示されている場合は、解析が成功していることを示します。
ハードディスク以外のSCSI機器に対しては、この数字は表示されません。
★ セクタ長
選択されているハードディスクの物理セクタ長を示します。
IF-2767 / IF-2768 / IF-2769での注意事項
1)バスマスタで直接使用できないNEC製パソコン
NEC製パソコンのCバス(標準拡張スロット)の仕様が変更されたことにより、
以下のNEC製パソコンでは、本インターフェースカードをバスマスタデータ転送方式で直接使用することは出来ません。
●PC-9821Xa7e/Xb10 以降
●PC-9821V7 以降
●PC-9821Cb3 以降
2)新型パソコンでインターフェイスカードをバスマスタで使用するためには
上記のパソコンで、インターフェイスカードがバスマスタで動作しないのは、
パソコン側のCバスにメモリリフレッシュ信号が出力されなくなったためです。
ただし、次の操作を行うことにより、Cバスメモリリフレッシュ信号の
ON(出力する)/OFF(出力しない)が切り替えられます。(一人で操作しにくい場合は、二人で行ってください)。
Cバスのメモリリフレッシュ信号がON(出力する)の場合は、本インターフェイスカードをバスマスタで使用できます。
操作 |
メモリリフレッシュ信号 |
「ESC」、「5」、「HELP」の3つのキーを
同時に押したまま電源をONにする |
ON |
「ESC」、「6」、「HELP」の3つのキーを
同時に押したまま電源をONにする |
OFF |
メモリリフレッシュ信号をONにした場合は、以下の制限があります。指示されている対策を
実施してください。この制限は、本インターフェイスカードを使用するしないに関係なく、
一般に発生します。
問題点 |
EMM386.EXEが組み込まれていない場合は、正常に動作しません。 |
対策 |
CONFIG.SYSに、EMM386.EXEを組み込んでください。
また、NEC製のMS-DOSに付属している
EMM386.EXE以外の他のメーカ製のEMSメモリ
マネージャは、動作保証されていません。 |
備考 |
マイクロソフト版およびNEC版のWindows95では、
システムにEMM386の機能が組み込まれているため
必要ありません。 |
問題点 |
Windows95のSafeモード(トラブルシューティング時のモード)
で正常に動作しません。 |
対策 |
Windows95のSafeモードで動作させる場合には、Cバス
メモリリフレッシュをいったんOFFにしてください。
その際、本インターフェイスカードの転送方式を「FIFO」
または「DMA」に設定し直してください。 |
問題点 |
MS-DOS Ver5.0/5.0AでDPMIを使用するとハングアップする。 |
対策 |
MS-DOS Ver6.2以降を使用してください。NEC製以外の
他のメーカ製のDPMIドライバは、動作保証されていません。 |
備考 |
DPMIは、MS-DOS版の一太郎Ver5などが使用します。 |