IF-2771/ETの特徴
ICMが発売したCバス用SCSI+LANの複合ボードです。
1スロットでPC-98にSCSIインターフェースと10BASE-Tインターフェースの2つの機能を追加できる複合
ボードです。LANとSCSIともにWindows95にも標準でドライバがあります。
それぞれの機能の特徴は、
- SCSIインターフェース
- NEC PC-9801-55L/Uと上位互換がある。
- SCSI-2(FAST-SCSI)規格をサポート
(最大10MB/Sのデータ転送を持つ)
- DMA、W-FIFO、バスマスタの3方式のサポート
- SCSIコントローラLSIのWD33C93AとNECのCPU(V30)を
搭載。
- LANインターフェース
です。
IF-2771/ETのディップスイッチ
SW1 SCSI-ID,割り込み,DMAの設定
SCSI-ID
ID | SW1-1 | SW1-2 | SW1-3 |
0 | OFF | OFF | OFF |
1 | ON | OFF | OFF |
2 | OFF | ON | OFF |
3 | ON | ON | OFF |
4 | OFF | OFF | ON |
5 | ON | OFF | ON |
6 | OFF | ON | ON |
7 * | ON | ON | ON |
* 標準出荷時設定
割り込み
割り込みレベル(INT表記) | SW1-4 | SW1-5 | SW1-6 |
INT0 * | OFF | OFF | OFF |
INT1 | ON | OFF | OFF |
INT2 | OFF | ON | OFF |
INT3 | ON | ON | OFF |
INT5 | OFF | OFF | ON |
INT6 | ON | OFF | ON |
* 標準出荷時設定 INT0(IRQ3)
DMA
DMAチャネル | SW1-7 | SW1-8 |
DMA0 | OFF | OFF |
DMA2 | OFF | ON |
DMA3 * | ON | ON |
* 標準出荷時設定はDMA3
SW2 ROMアドレス、ROM有効・無効の設定
ROMアドレス・機種タイプ
機種タイプ | SW2-1 | SW2-2 | SW2-3 | SW2-4 | SW2-5 | SW2-6 | SW2-7 |
ハイレゾ専用機 | × | × | × | OFF | ON | OFF | OFF |
ノーマル・ハイレゾ兼用機 | OFF | ON | ON | OFF | ON | OFF | ON |
ノーマル専用機 | OFF | ON | ON | × | × | ON | ON |
配置アドレスはノーマルモードDC00h、ハイレゾモードEC00h。
なおノーマルモードにおいて、SW2-2とSW2-3をともにOFFにするとD000hに配置される。
ROM有効
SCSI BIOS ROM | SW2-8 |
有効 * | ON |
無効 | OFF |
* 標準出荷時設定 ON(ROM有効)
SW3 I/Oアドレス、転送モードの設定
I/Oアドレス
I/Oアドレス | SW3-1 | SW3-2 |
CCxh * | ON | ON |
CDxh | OFF | ON |
CExh | ON | OFF |
CFxh | OFF | OFF |
* 標準出荷時設定 CCx
転送モード
転送モード | SW3-3 | SW3-4 |
バスマスタ(非同期) | ON | ON |
バスマスタ(同期) | OFF | ON |
FIFO | ON | OFF |
DMA | OFF | OFF |
バスマスタの使用できない機種では、FIFOもしくはDMAで使用してください。
JP5 10BASE-T信号ライン反転(IF-2766ET,IF-2771ETのみ)
JP5のスイッチを2-3側にセットすると正方向、1-2側にセットすると逆方向となる。
JP7 SCSI,LANのON,OFFの設定(IF-2766ET,IF-2771ETのみ)
機能をON,OFFする
SCSI | LAN | JP7 1-2-3 | JP7 4-5-6 |
ON | ON | 2-3 | 4-5 |
ON | OFF | 2-3 | 5-6 |
OFF | ON | 1-2 | 4-5 |
OFF | OFF | 1-2 | 5-6 |
* 標準出荷時設定 SCSI,LANともON
IF-2771/ETをWindows95で使いつくす!
LANのための初期設定
このボードは、購入したばかりの状態では、SCSIのみ使用、
LANは不使用に
ディップスイッチが設定されています。
そこで、LANを使用の設定にディップスイッチを変更します。
「LANを使う」編
まずは、[システムのプロパティ]の[デバイスマネージャ]
で、[コンピュータのリソース]を開いて、空いている資源
(IRQ、I/O、メモリ)を確認してください。
IF-2771/ETで設定できるI/Oアドレス
46DOH〜47DFH
56DOH〜57DFH
66DOH〜67DFH
76DOH〜77DFH
86DOH〜87DFH
96DOH〜97DFH
A6DOH〜A7DFH
B6DOH〜B7DFH
の8つです。
IF-2771/ETで設定できるINT(IRQ)アドレス
INT 0 (IRQ 3)
INT 1 (IRQ 5)
INT 2 (IRQ 6)
INT 5 (IRQ 12)
の4つです。SCSIとは別々に設定しなければいけません。
次に、IF-2771/ETのボード自体の設定を付属のLAN設定
プログラム(SETUP.EXE)で設定します。設定する際には、
ボードをパソコン本体にセットしておいてください。
最初に調べておいた空いているリソースに割り当てをします。
設定が終了したら、今度はWindows95の方の設定です。
IF-2771/ETのドライバをインストールします。ドライバ自体は
Win95に付属しています。ハードウェアウイザードで自動検出
されないこともあります。その場合には、手動で組み込んでください。
途中で、I/OアドレスやINT設定ができると思いますので、付属の
ソフトで設定したのと同じ設定値にしてください。
これで再起動すればセットアップは終了です。
2022年リニューアル時のコメント
当時はネットワーク(Ethernet)が家庭用の位置付けではなくてビジネス用の価格になっていたため、単品のLANカードでとても高額でした。IF-2771はLANとSCSIが1枚のカードで実現出来て約3万円でした。NEC純正だとPC-9801-104(B4680インタフェースボードET 発表日:1994/10/01 \24,500)とPC-9801-92(SCSIインタフェースボード 発表日:1993/07/01 \30,000)でしたのでとても魅力のあるカードでした。
その後、PC本体のCバススロットが削減された機種が増えPCIに主流が移るまでの短い期間でしたが複合ボードブームが起きてアイオーデータではセカンドバス規格を作り対応ボードを多数発売しました。BUFFALOはグラフィックとFM音源の複合カード「WSN-A2F」などを発売。緑電子ではSCSIと高速RS-232Cの複合カード「MDC-926Rs」を発売しました。