ファイルスロットとは
NECのパソコン PC-9801FA/FS/FXなどと、MATE Aシリーズに採用されたドライブなどの内蔵スペースです。AT互換機でいうとこの5インチベイ相当の周辺機器用の区画です。ファイルスロット(Fileslot)用の機器が利用できます。5インチベイより少々サイズが小さいため、機器の流用は困難です。
AT互換機の5インチベイに対抗してNECが開発した独自規格で、PC本体側のバックパネルにSCSI、拡張バス(IO)、増設フロッピィの各バスの信号のインターフェースを持っています。
PC-9821As3、Ap3のFDモデルでは、ファイルベイアダプタを増設することによって、5インチベイのCD-ROM(ATAPI)やHDD(IDE/E-IDE)が利用可能になります。なお、PC-9821As3、Ap3のHDDモデルはファイルスロットの代わりにファイルベイが搭載されており、ファイルスロットを利用できません。
ファイルスロット製品
NEC純正の
ファイルスロット製品の情報は別ページにまとめています。
ファイルスロット製品(サードパーティ編)
ファイルスロット製品(サードパーティ編)です。
基にした当時の資料の作成時期によって、それ以降に発売された機種が対応機種の記載から抜けている場合があります。
このページはまだ工事中で漏れがたくさんあります。
※サードパーティとは、「第三者」という意味です。オリジナルのPCメーカーが開発した製品に対して、そのほかの企業から互換のパソコンや周辺装置、ソフトウェアなどを供給することを指します。
メーカー名 |
品名・型番・定価 |
対応機種 |
備考 |
(株)ICM |
3.5インチ光磁気ディスク MO-3120F 198,000
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FA FS FX Ap As Ae An Af Ap2 As2 Ap3 As3 |
128MB対応のMOドライブです。
接続にはSCSI専用スロット用SCSIインターフェース
ICM製IF-2560かNEC製PC-9821A-E10が必要。
仕様
記憶容量(フォーマット) 約121MB
平均シーク時間 40ms
キャッシュメモリ 記載なし
データ転送速度 625KB/S
回転数 3000rpm
消費電力 25W
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(株)ICM |
3.5インチ光磁気ディスク MO-4120F 128,000
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FA FS FX Ap As Ae An Af Ap2 As2 Ap3 As3 |
128MB対応のMOドライブです。
接続にはSCSI専用スロット用SCSIインターフェース
ICM製IF-2560かNEC製PC-9821A-E10が必要。
仕様
記憶容量(フォーマット) 約230MB
平均シーク時間 30ms
キャッシュメモリ 237KB
データ転送速度 5MB(ホスト)
回転数 3600rpm
消費電力 7W
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(株)ICM |
3.5インチ倍密光磁気ディスク MO-4230F 148,000
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FA FS FX Ap As Ae An Af Ap2 As2 Ap3 As3 |
128/230MB対応のMOドライブです。
接続にはSCSI専用スロット用SCSIインターフェース
ICM製IF-2560かNEC製PC-9821A-E10が必要。
仕様
記憶容量(フォーマット) 約121MB
平均シーク時間 30ms
キャッシュメモリ 256KB
データ転送速度 4MB(ホスト)
回転数 3600rpm
消費電力 13W
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アイドルジャパン(株) |
5インチFDドライブ ID-5FS 28,800
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FA FS FX Ap As Ae Ap2 As2 Ap3 As3 |
注:1MBフロッピーインターフェースとの併用不可
2HD/2DDの1.2MB / 640KBの読み書きが可能で、PC本体のFDDが
1台の機種(つまり、ハードディスクモデル)の場合は、この
ドライブからもブートできるようです。 |
緑電子 Hermit Crabシリーズ |
98Note内蔵HD SCSIベースユニット HS-FBEKAN-HN 39,800
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Ap As Ae Ap2 As2 |
対応HD びるとNシリーズ(BLT-SL080を除く)
PC9801NS/E-35、35U
PC9801NS/T-36
PC9801NA-37
当時のびるとNが520MBタイプの製品があるんでそのくらいの容量まで
は対応していると思います。
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緑電子 Hermit Crabシリーズ |
2.5インチHDローディングユニット HS-FPKLU1-HN 49,800
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Ap As Ae Ap2 As2 |
対応HD PR80,PR120
専用のカートリッジタイプのハードディスクを使うらしいです。
現在このユニットはほとんどまず見かけません、専用カートリッジ
は今でもあるのかな? |
緑電子 Hermit Crabシリーズ |
3.5インチFDドライブ(640KB/1.2MB) HS-FFD350-HN 24,800
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Ap As Ae Ap2 As2 |
2モードの3.5のFDDです。 |
緑電子 Hermit Crabシリーズ |
3.5インチ光磁気ディスクユニット(128MB MO) 198,000
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Ap As Ae Ap2 As2 |
高速ドライブ (3600rpm 38ms)採用
当時としては大容量だったMOドライブ。定価の高さがその大容量ぶり
を物語っている気がしますね。 |
緑電子 Hermit Crabシリーズ |
固定ディスク専用スロット/ファイルスロット対応SCSI機器拡張ユニット
98Villa (98ヴィラ) 69,800
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SCSIボードが接続できる98シリーズ |
ファイルスロット対応SCSI機器 2台と固定ディスク専用スロット 1台
の合計3台のSCSI機器を内蔵可能(SCSI機器は別売り)
これだけでは何もなりません。ファイルスロット機器をたくさん持って
いる人用ですね。これも定価がかなり高いと思います。現在入手は
極めて困難。 |
緑電子 Hermit Crabシリーズ |
3.5インチ128MB光磁気ディスクユニット HS-FUE312 79,800
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Ap As Ae Ap2 As2 |
1800rpm 120msの普及型ドライブ採用。MO/HDDモードあり。 |
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○ファイルスロット用スルーボード MDC-FA001 14,800
PC本体のSCSIスロットの信号を外部に引き出すためのボード。
ボードには2つの端子を持っているので、片方をCバスのSCSIボードへ、
もう片方を外付けSCSI機器に接続します。
参考文献:94年2月緑電子 記憶装置総合カタログ94 Spring
参考文献:95年5月緑電子 記憶装置総合カタログ95 Summer
参考文献:緑電子 3.5インチ光磁気ディスクユニットカタログ
2022年リニューアル時のコメント
ファイルスロットの利用用途には、NECの想定ではCD-ROMドライブが第一になっていたようでPCのラインナップにも入っていました。そのため、サードパーティはそれ以外の用途・機能を持つ製品を市場投入してきました。
当時フロッピィディスクの後継メディアとして光磁気ディスク(MO)に期待が大きかったです。光磁気ディスクドライブがファイルスロットの周辺機器としても多く商品化されていました。光磁気による記録方式、媒体の自動排出機構、SCSI接続といったお金がかかる技術が使われていて高い信頼性もあり、日本では人気のメディアでした。